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活動報告

合宿研修――まとめのワークショップ

活動報告写真 合宿研修の最終日には、浜田市弥栄支所第1会議室において、まとめのワークショップを行いました。
 まず、受講生10名は5名ずつのグループに分かれ、それぞれ、このたびの合宿研修をひとつの農村体験プログラムととらえ、その良かった点と課題だと思われた点を洗い出しました。それをふまえて、農業・農村や弥栄町のことを若い人々に伝えるための体験教育旅行のプログラムを考えてみました。成果は、それぞれのグループから発表してもらい、全体で共有しました。
 しかしながら、提案されたプログラムは、まだまだブラッシュアップする必要性が感じられたため、帰学後にいま少し議論を深めることとしました。後日まとめられた受講生の作品がこちらこちらです。 

合宿研修

活動報告写真 9月15日(土)〜17日(月・祝)に、浜田市弥栄町において、合宿研修を実施しました。1日目は、鎌を使った稲刈り体験、農業・農村講話、間伐体験とハーベスタなどを使った作業の見学を、2日目は、郷土料理実習、耕作放棄地再生の取組見学と草刈り体験を、3日目は、野菜の収穫・調整作業体験、米粉ピザづくりと精米施設などの見学、まとめのワークショップを行いました。
 米とそれをとりまく環境を切口に、弥栄町や農業・農村の現状を学び、中山間地域の農地の多くは兼業農家によって守られていること、農業従事者が高齢化していることなどを知ることができました。また、農業・農村の課題を解決していくひとつの糸口として、都市住民や消費者との交流や連携について考えました。

合宿研修――受講生のレポート

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稲刈り体験
 合宿研修の最初の活動として稲刈り体験を行いました。前日の雨のため圃場はぬかんでおり、歩くこともままならない状況でした。稲を鎌で刈る作業、ひもで結んで稲束をつくる作業、稲束を運び、稲架に掛ける作業がありましたが、「地元案内人」の齋藤さんがていねいに指導してくださいました。おかげで、泥だらけになりながらも、順調に作業を進めることができたと思います。約1時間30分の作業でした。稲束を稲架に掛けるその方法にもくふうがあることなど、いろいろと学ぶこともありました。地元の農家の方もふつうはしないような「水中稲刈り」は、私たちにとっても楽しく、貴重な経験となりました。〔YK〕

活動報告写真農業・農村講話
 浜田市弥栄支所産業課の岡橋正人さんに、「お米から見えてくる農業・農村のお話」という演題で講話をしていただきました。例えば、農村は兼業農家によって守られてきたこと、米価が下落していること、農村と都市が共生していくためにできることなど、受講生が知らなかったことも少なくなかったです。
 その後、岡橋さんと受講生とで意見交換しました。そこで話題にあがったのは、農業と農村を守るためにお米を食べてもらいたいという話に対して、それでは、どうしたらお米を食べてもらえるのかということでした。
 この講話のおかげで、私たちの理解も深まったと思います。〔MI〕

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笠松市民の森視察・間伐体験
 石央森林組合と弥栄支所産業課のご案内で、笠松市民の森において、先進的なハーベスタ等の機械を用いた作業のようすを見学し、間伐の作業を体験しました。笠松市民の森は、弥栄町三里・門田にある面積約500haにおよぶ市有林で、そのうち約340haがヒノキを主体とする人工林となっています。
 最近の林業は機械化が進み、ほぼ機械だけで間伐作業が行える状況にあるようですが、間伐体験は、のこぎりを使って手作業で行いました。3人1班になって、それぞれ1本の木を伐らせてもらいました。間伐はなかなか経験することができませんが、作業のたいへんさを身をもって味わい、とても貴重な体験となりました。〔YM〕

活動報告写真郷土料理実習
 郷土料理実習では、浜田市食生活改善推進協議会弥栄支部のみなさんの指導のもと、かつてのハレの日の料理、「やさかのお祭り膳」に挑戦しました。献立は、角寿司、巻き寿司、いなり寿司、盛り込み、煮物、酢の物、和え物、天ぷら、汁物、煮魚、刺身の11品でした。最初は慣れない作業にとまどいもありましたが、ていねいに指導していただき、ひとつひとつこなしていくことができました。
 試食交流会では、弥栄の昔の暮らしや食生活についてのお話をうかがいながら、できあがった料理をおいしくいただきました。今回の実習で教えていただいたことを、自分たちのこれからの生活に活かしていきたいと思います。〔OY〕

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耕作放棄地再生の取組視察・草刈り体験
 耕作放棄地再生対策などの補助金を活用してビニルハウスを建設された取組を視察しました。その経験談を聞き、たいへんな苦労の結果として、弥栄町の農業が支えられているのだと思いました。ハウスが建つ谷の上流も同様にかつては田であったと聞きましたが、灌木が茂り、かつてのようすは想像し難いものでした。わずか1年でも維持管理を怠ると、田畑が荒れ果てることには驚きました。〔RM〕
 また、実際に遊休農地の草刈りを体験しました。比較的最近まで作付けされていた圃場だと聞きましたが、あまりの雑草の多さに、みな悪戦苦闘し、田畑と美しい景観を守っていくことはたいへん難しいことだと実感しました。〔KY〕

活動報告写真野菜収穫・調整体験
 はじめに、ピーマンの収穫作業をしました。ハサミで切る人とかごを持つ人の2人1組になっての作業でした。つぎに、ビニルハウスを見学させてもらいながら、栽培している野菜や使っている肥料のお話を聞きました。お世話になった小松ファームさんは、有機農業に取り組んでおられます。肥料に使う醤油の搾りかすも見せてもらいました。その後、ピーマンの調整作業を体験しました。私たちは、ピーマンの選別、計量、袋づめの作業をさせてもらいました。
 小雨もようのあいにくの天候でしたが、とても貴重な経験をさせてもったと思います。生産している方々のくふうや想いを聞いて、野菜ももっとたいせつに食べようと思えました。〔NK〕

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米粉ピザづくり
 ほんき村の体験交流施設で、米粉ピザづくり、ご飯の釜炊き体験をさせていただき、また、精米工場を見学させていただきました。
 米粉ピザは、米粉とドライイーストと塩と水などを混ぜ、こねて生地をつくり、しばらく置いた後、生地を伸ばしてトッピングをし、釜で焼きあげました。できた米粉ピザは、小麦粉でつくるピザと見た目や味は変わらないものの、少し弾力があり食感がモチモチしているように思いました。
 お米の洗い方や、釜でのご飯の炊き方も習いました。近年、米の消費量が減少しているというお話も聞きましたが、私たちも、もっとお米を食べるためのくふうをしたいものです。〔AM〕

活動報告写真宿泊・夕食の自炊
 私たちは、2晩、ふるさと体験村のログハウスに泊まりました。ログハウスは、2010年より改築されたようで、部屋の中は木の香りでいっぱいでした。それだけでなく、ログハウスは木立の中に建てられており、自然の中に寝泊まりする感覚でした。
 また、夕飯は自炊しました。1日目はバーベキューをし、2日目はカレーをつくりました。いずれも、ふるさと体験村の施設を利用させてもらいました。火起こしに苦戦したり、食材の調達が遅れたり、ご飯の量が多すぎたりといったハプニングもありましたが、自炊することを通して、自主性も高まり、受講生どうしの仲も深まったと思います。〔YT〕


事前学習

活動報告写真

 8月1日(水)に、事前学習のために、浜田市弥栄町を訪れました。浜田市弥栄支所産業課にて受け入れをご担当くださっている岡橋さんや石央森林組合の大橋さんらと顔合わせを行い、弥栄町の基礎資料をいただいた後、合宿研修で地元案内人をしてくださる串アさんや小松原さんを訪ね、研修場所を見せてもらいました。その後、町内を視察させてもらいました。野坂、小角、程原、田野原などのいくつかの集落や、合宿研修時には宿泊所として使わせていただくふるさと体験村、島根県の天然記念物となっている長安本郷の八幡宮並木杉などを見学しました。
 受講生たちも、弥栄町はどのような地域なのか、おおまかながら理解することができたのではないかと思います。

事前学習――受講生の声

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 弥栄地区に入ったとき、まず目に飛び込んできたのは美しい景観でした。具体的には、日ごろから手入れされている植木や一面に広がる田園風景が印象的でした。一般的には、このような地域では人工物は景観を損なうという考えもありますが、弥栄地区の場合は、自然の景観に合った人工物もあり、それが自然と合わさって、むしろ、よりいっそう景観が美しく感じられました。特に、寺や神社などといった歴史を感じられる木造建築が自然の中にとけ込んでいるのです。このことから、昔ながらの景観を維持しつつ、自然との共存ができている地域であると思いました。〔RM〕

活動報告写真 私が見つけた弥栄町のよいところの一つ目は、景観の美しさです。弥栄町は水田が多く、稲に太陽の光が反射して鮮やかな緑になり、とてもきれいでした。
 そして、二つ目はその美しい景観がきちんと維持されているところです。弥栄町の人口は、2012年6月現在で1,497人と、1960年をピークに減少傾向にあると聞きましたが、その割には、耕作放棄地が少ないと感じました。また、他にも十国トンネルを抜けたところでは木の剪定や草刈りがされていたり、山の中まで道路の舗装がされていたりと、細かいところまで手入れが行き届いており、町全体に迎え入れられている気分になりました。〔AM〕

活動報告写真 弥栄には初めて行きました。訪問当日はとても暑かったですが、水の近くだと涼しく感じました。川の近くを歩いてみたかったです。川の上流のほうはどうなっているのだろうと気になりました。水がとても綺麗だったことが印象に残りました。
 綺麗だったといえば、水田の稲が風にゆらめいているところも綺麗で、感動しました。今でも鮮明に思い出せるほどです。
 近くから見た水田も綺麗だと感じましたが、高いところから見た水田や山々の景色は、自分の思い悩んでいることなんてどうでもよくなるような気持ちにさせてくれました。
 弥栄には自然があふれており、ちょっぴり、ふるさとの魅力を感じることができたと思います。〔YT〕





活動報告写真 私が見つけた弥栄町の魅力的なところは2つあります。1つ目は郷土料理がおいしいところです。手打ちそばやうずめ飯などの郷土料理はこの地域ならではの伝統的な料理です。料理自体もとても健康的で、うまくアレンジしていけば今の日本の健康ブームに乗ることができるのではないかと思います。しかし、私たちが訪れた弥栄ふるさと体験村は、わかりにくい場所にあったのではないかと思います。来訪者にわかりやすい場所で提供するなどのくふうをすれば、弥栄町の料理を幅広く知ってもらうことができ、来訪者を通して広くPRできるのではないかと、私は思います。
 2つ目は弥栄町の景色がとても良いところです。山や川などの豊かな自然に恵まれた弥栄町の景色は見ているだけで人を癒すような力があります。ただ、問題点として私が感じることは、ただ景色が良いだけでは他の地域にアピールしにくく、それだけで地域を活性化することは難しいのではないかということです。私は、この地域の魅力を多くの人々に知ってもらうために、弥栄町にしかない魅力を感じられる場所、その場所を使って来訪者にも喜んでもらえるようなアトラクションをつくっていくベきだと思います。非常に難しいことではありますが、地域住民や外部の人の考えなども多く取り入れて実現していけば、何かしら弥栄町に変化をもたらすのではないかと、私は考えています。〔SY〕

活動報告写真

 私は今回の事前学習で、初めて弥栄を訪れました。実際に訪問するまではどのようなところか全く想像できませんでしたが、とにかく自然にあふれた町だということが分かりました。訪問したのは、よく晴れた日だったので、自然の緑と空の澄んだ青がとても印象的でした。弥栄の風景を見ると、誰もが、どこか懐かしさ、温かさを感じられるのではないでしょうか。
 次回の訪問では、今回体験することのできなかったことや、気づかなかったことを知ることができると思うので、弥栄の魅力・課題を発見するとともに、自らの学びにもつなげていきたいものだと思っています。〔YO〕

活動報告写真

 私は今回、初めて弥栄町を訪れました。弥栄町内の集落は、どこも山に囲まれ、田んぼが広がっていて、とても自然が豊かでした。空気もきれいで、気持ちよかったです。弥栄町内を見学している間、住民や車とほとんどすれ違わなかったので、過疎化が進んでいるのだと感じました。しかし、私が見た限りでは、あまり耕作放棄地はありませんでした。このことは、私にとって予想外で、驚きました。今回の訪問で、ほんとうにその地域や住民が抱えている課題を理解したとは思っていません。今後も、活動を通してきちんと理解し、解決策を考えたいです。〔NK〕

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島根県浜田市野原町2433-2
島根県立大学総合政策学部
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